先日、各停電車に乗ってのんびりしていると、
隣の車両からものすごい足音を立てて推定11歳の少年が走ってきた。
走り去る彼は、人様の靴を飛び越えながら血走った目で「もっと速く、もっと速く」と呟いていた。
電車の走行速度に不満があったのだろうか、そんなもの各停だから仕方がなかろう。

アホだなあと思って眺めていたが、そんな気持ちは自分にも覚えがあった。

小学生の頃、私は新幹線で家族旅行に出かけた。
新幹線というものに初めて乗り、その快適さと駅弁のうまさは軽いカルチャーショックだった。
しかし、新幹線があまりにもゆっくりと進むものだから、本当に動いているのかわからなかった。
そのとき私は、車内を一目散に走り回りたい衝動に駆られたのだ。
自分が速く進めば乗り物も速く進む、そんな阿呆なことを考えるのは小学生だけである。

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